stradaleさんのご厚意により、納車後3か月も立たない真新しいV6 LHD フェーズ2(並行車)にちょこっと試乗させていただきました。そこで私のTS RHD フェーズ1との比較論をぶってみたいのですが、私の主観バリバリですので、それぞれのオーナーさん、お気を悪くしないでね。

 

さてさて、エンジンはさすがアルファ伝統のV6です。当然ですが音、フィール、パワー(トルク)に関してはTSに全く勝ち目はありません。音は思ったより静かで、その点は拍子抜けしましたが、6気筒らしいきめの細かい排気ノートに、さらに「ロロロ」という脈動音(?)が加わって最高です。これだとTS以上にマフラー換えたくなりますよね。回転はスムースで振動も少ないです。この点ではTSだって優秀ですが、V6と比べれば歴然とした差を感じます。

パワーとトルクは全回転域でTSより上です。しかも軽く吹けるので、バイクのエンジンみたいです。さらに6速ミッションはTSよりローギアードなので、1、2速だとTSに慣れた目ではタコメーターの針を追い切れないくらい。体感加速はTSの20%増しといった感じです。

ちょっと驚いたのがハンドルの軽さ。まともに考えればフロントの重いV6の方がハンドルも重いはずなのですが、どういうわけか反対に軽いのです。タイヤの銘柄の違いもあるかもしれませんが、パワステポンプがフェーズ1よりアシストアップしているのかもしれません。

ボディー外観上の違いでは、ご存じのとおり、ミラー、フロントバンパーの一部(ヒゲ部分とフォグランプ周り)がボディー同色になってます。でもなぜかミラーは台座の部分が未塗装のまま。どうせやるなら全部塗装すればいいのにと思うのは私だけでしょうか。台座と本体に一体感のあるデザインだけに、見れば見るほど気になった部分です。ボディー同色パーツが多い方が高級感はありますが、個人的にはバンパーの「ヒゲ」は黒い方がアクセントになっていて好きです。同じ感想は写真を見た嫁さんも言ってました。

ラジオのアンテナがリアウインドープリント式から、後傾したショートタイプのルーフ取付式に変わっていますが、これはどうでしょう? デザイン的なアクセントにはなってますが、洗車やワックスがけのときに結構邪魔になりそうです。また格納できないので、折られたりもぎ取られたりといったイタズラの標的になりかねないような気も…。その際はルーフの鉄板の板金塗装が必要になるでしょうから結構な出費になりそうです。プリント式でもラジオの入りに問題なかったし、これは退化なのでは?

外装に比べると内装はインパネ周り中心に大きく変わってます。全体的に高級感を増してますが、何よりうらやましいのはスピードとタコのホワイトメーター。キレイだし見やすいし高級感はあるし、これはホントいいです。でもダッシュ中央上部のモニターってどうよ? 燃費やら何やら結構事細かに表示してくれるのですが、情報量が多い分パッと見てすぐに読むのは難しいと思う。これにコストがいくらかかってるのかわかりませんが、もうちっと違う部分に使った方が販売増につながったように思います。

ABCペダルの配置は、正直言ってRHDよりなお一層悪いです。ペダル間の間隔が狭めなのは同じですが、ヒール&トゥをするにはアクセルが奧にありすぎ。Stradaleさんも「できない」と言ってました。もしこのペダルでヒール&トゥをやろうと思ったら、ロンドンブーツ履かないとムリだと思います。ま、上にスペーサーとなるアルミペダルでも取り付ければ簡単に調整できますが。

エンジンルームも見せてもらいましたが、やはりデカいV6エンジンを積むだけあって、ぎゅう詰めで整備性の点では厳しそうです。一方、TSに比べると熱対策の方は念入りで、バルクヘッドには銀色に輝く遮熱シートが貼られてあり(TSはフェルトのみ)、アンダーカバーも形状が違っていて排気管(触媒付近)に走行風を当てるためのエアダクトが設けてありました(TSはほぼフルフラット)。

一緒にサーキットを走った感じでは、直線でのスピードはもちろんV6が速く、後ろに着くと確実に引き離されます(加速度にすると1割増しくらいかな)。でもエンジンが重いにもかかわらず、ブレーキがTSと全く同じなので、ブレーキングはかなりキツそう。スポーツ走行するなら、TS以上に強化する必要がありそうです。

さてVSとしたからには判定しないとなりませんが、V6かTSかとなれば、やはりV6でしょうね。約50万円という差額は小さくありませんが、それだけの価値はあると思います。特に圧倒的に差があるのが音です。TSだってもちろん悪くはありませんが、比べれば所詮4発とならざるをえません。V6の場合、スポーツマフラーさえ付いてればカーステいりませんね。