使用工具 グラインダー(無くても可、ただし疲れる)、ヤスリ(平型、棒形等)、ドリル、ドライバー、レンチ
使用部品 アルミ板(最低90×40×4ミリ)、皿ネジ(4×30ミリ)、ナット、丸ワッシャ(直径10〜15ミリ程度)、2穴ステー(幅50ミリ程度)
いじくり時間 半日以上(ペダルの削り出しに長時間かかるため) いじくり費用 2000円前後
難易度 A

156右ハンドル車5MTのABCペダルは、全体的に中央寄りかつペダルの間隔が狭い上、アクセルとブレーキペダルの段差も少なく、足のサイズが26,5センチの私の場合、とてもヒールアンドトウがやりにくい配置でした。とは言え、全然苦にならない方もいらっしゃるようですので、体格と足のサイズにもよるのかもしれません。
はじめは、Tipoに広告が出ているNORDのペダルにヒントを得て、ブレーキペダルに厚みを持たせることを考えました。そこで、試験的にブレーキペダルのゴムを外し、代わりに2センチ厚のゴムを接着してみました。元のゴム厚が0,5センチ弱ありましたから、差し引き約1,5センチペダルが手前にきたことになります。乗ってみると確かにヒールアンドトウはやりやすくなったのですが、手前に来すぎたせいで踏みにくくなり、すぐ元に戻しました。
ブレーキペダル側がダメなら、アクセル側を考えるしかありません。ノーマルの樹脂製アクセルペダルは、スムースに踏み込んでいけるよう、大きくラウンドした形状になっています。これはこれで有効なのですが、そのせいでロッド面中央で約1センチ盛り上がってしまっています。つまりこのラウンド形状をやめれば、若干踏みにくくはなっても、アクセルが低くなってブレーキとの段差が拡大されるわけです。さらにロッドの中央に位置しているペダルを、できるだけ右方向へ移動できれば、ABペダル間の間隔も広げられることになります。
こうして、「奧へ、右へ」を主眼に設計したのが、このペダルです。イラストは、私が現在取り付けているペダルの寸法を記したものです。ベストではないでしょうが、タイヤハウスとの関係があって、事実上これくらいが限界ではないでしょうか。ペダル面は、ヒールアンドトウの際にかかとが乗りやすいよう、左と下の辺を斜めに削ってあります。またスムースにブレーキペダルへ踏み換えられるよう、ペダル面をフラットにするため、皿ネジを使用しています。「滑りやすいのでは?」と思われる方もいるでしょうが、滑って困るのはブレーキとクラッチペダルであって、アクセルは適度に滑らないとブレーキへの瞬時の踏み替えができず、返って危険ではないでしょうか。実際、このペダルにしてからペダル操作に何の問題もありません。
 取付の際には、ロッドの上面に大きく飛び出したストッパーボルトの頭が邪魔になります。ボルトカッターがあればいいのですが、無ければグラインダーでガーと削るか、これもなければひたすら平ヤスリで削るしかありません。約2センチ短くしないとロッド上面とフラットになりませんので、ヤスリではかなり苦労します。(おそらく1時間以上かかります。)
ロッドへの固定は、A、B穴の裏に2穴ステーをかましてロッドを挟みますが、C穴は対になる穴をスペース上開けられないため、やむを得ず丸ワッシャを2枚重ねて、ロッドが直角に曲がり、ストッパーボルトの溶接部で狭くなっている箇所を利用して1箇所だけで留めています。2000キロほど走行した現在、緩んだり位置がずれたことは全くありません。仮に走行中外れるようなことがあっても、アクセルペダルの場合危険性はほとんどありませんし、極端な話、ロッドだけの状態でも走行は十分可能です。ただし、外れたペダルがブレーキ側と干渉すれば話は別ですので、自作される方はくれぐれも確実に取り付けるよう注意してください。
このペダルによって、ノーマルペダル比得られた数値は、
   ブレーキペダルとの間隔 5センチ→6センチ
   ブレーキペダルとの段差 2センチ→3センチ
とそれぞれ1センチずつとわずかですが、その相乗効果によってフィールの向上は数値以上であり、ヒールアンドトウは格段にやりやすくなりました。見た目もちょっぴりスパルタンな感じでしょう? しかも、ロッド本体には加工してませんから、ドライバー1本あれば、3分以内に元の状態に戻せます。
BCペダル間に比べ、AB間の狭いことがわかると思います。
まあトーシローですから、こんなもんでしょう(^^;)
完成品