なんでフロントバンパーを外したかと言いますと、社員旅行で行った九十九里海岸で、いい年こいて「わーい、ダートラだあ」なんてふざけて後輩を乗せて砂浜を走り、砂丘にヒットしてバンパーの下をいくらか割ってしまったため、補修の必要があったからです。
で、フロントバンパーを脱着したわけですが、中からは不思議で面白いパーツやその配置がザクザク出てきました。それは私にとってまるでおもちゃ箱のよう。そこで表題のタイトルになったわけです。私以外の人にとってどれだけ関心がもてる内容かはわかりませんが、ま、ひとつおつき合いくださいませ。
 
脱着方法ですが、左の画像の矢印部分にボルトがあります。両脇に赤色矢印で示した部分は、左右フェンダー内に、片側3本ずつのボルトがあります。この部分は前輪フェンダー内のインナーを外さないとアクセスできません。
ボルトは全てスターヘックスですが、なぜか左フェンダー内の1番前側の1個だけが六角10ミリの通常ナットになってました。もちろん理由はわかりません。イタリア人にしか理解できないはずです。(笑)
順番が前後しますが、上部のボルト4カ所を外す前に、左の画像のメッキグリルを2個外す必要があります。
最初にプラスの鉄板ビスを外し、青色矢印で示したグローメットを上に引っ張って外すのですが、これがちょびっと勇気がいります。と言うのも本体に強度がない割にグローメットが固いので、本体が「パキン!」といくおそれが多分にあるからです。全体を均等の力で持ってゆっくり引くといいでしょう。
外すとこうなります。
タイヤがない所為もありますが、とてもジドウシャとは思えません。スターウォーズに出てくる浮遊車のようです。気に入ったのでこのままオブジェとして飾っておこうかとも思ったのですが、さすがに理性が勝ってそれを思いとどまらせました。
左右2箇所には例の(軽量化プロジェクトその2参照)衝撃吸収剤が取付られていますが、真ん中はガラ空きです。もし電柱に正面から突っ込む際は、ハンドルを少しだけ切って、ど真ん中に当たるのだけは避けた方がいいでしょう。
謎カプラー
最初に発見した謎部品は、このカプラーです。もちろんどこかから脱落したわけではありません(多分)。位置からしてバンパー内に取り付けられた何らかのオプション部品に接続するためのもののようですが、ウチの156にはフォグランプとヘッドライトウォッシャーが既に付いており、これ以上他にオプションパーツが付くとは思えません。まさか字光式ナンバーのためではないでしょうし…。ということはこのカプラー、一体何のためのものなのでしょう? 知っている方がいらしたら是非教えてください。
ディフューザー?
次の驚きはこのディフューザーのごとき、導風板(?)です。ラジエターとエアコンのコンデンサーに効率よく外気を導くためのものですね。ここだけ見るとすごくレーシーでカッコいいです。
謎部品2
右フェンダー内のインナーを外したところ、左の画像の黒い部品が出てきました。上から2本出ているホースを辿ると下の画像のホース2本とつながっていることがわかります。
 
ですが、この先で水色の方がインジェクション近くのパーツにつながり、黒色の方はフロントエプロン下に消えていってしまうので、用途が判然としません。これも謎です。誰か教えてください。
空間の最大限活用
同じく右フェンダー内の状況ですが、このようにウォッシャータンクがホイールアーチに沿って垂れ下がっており、徹底的にスペースの有効利用を図ろうとしたことがわかります。欧州ではウォッシャー液の使用頻度は高いのでしょうか? 個人的にはこんなところよりもっと他の部分のキャパシティーを増してほしかったと思います。
謎カプラー2
今度は左フェンダーの中です。画像からはイマイチ大きさがわかりにくいかもしれませんが、大き目のカプラーが2個、タイベルで上から吊り下げられています。面倒くさいので数えませんでしたが、1つで8極前後あったかと思います。クルマの電装品というより、PC関連の付属機器に接続するような極の多さです。これも何らかのオプションパーツのためのものなのでしょうが、見当付きません。エアバッグ関係でしょうかね?
外したフロントバンパーの裏側です。残念ながらここにはおもちゃはありませんでした。
レゾネーター
レゾネーターというのは、エアクリーナーボックスの前に位置する、空気取入口直後のパーツで、吸気音を低減するためのものです。156の場合、バンパー左前部にドーンとあるのですが、これがなかなかデカくて複雑な造りになってます。吸気音より、排気音とエンジン自体の発するメカノイズを聞かせようと考えたのでしょうか? 死ぬまでに156の設計関係者と話す機会があったら、是非聞いてみたい点ですね。
好奇心満々の私はレゾネーターを外してみました。合成樹脂を熱で圧着して成型しているため、中を分解して見ることはできませんが、エアクリボックスにつながるダクト出口からのぞいてみると、下の画像のような造りになってました。
これはマフラーの消音器内部と基本的に同じ構造です。レゾネーターとしての効果は極めて高いと思いますが、これだけ吸気をいじくると、抵抗も小さくはないでしょうね。「吸気音なんかいくらしてもいい。少しでもパワーがほしい」という人は、外してみる価値ありです。
ちなみに大きい割には軽く、軽量化の意味では貢献度は極小です。
←ちなみにホーンはここです。2個並んで付いてます。
判明!
またしてもAgitoさんに教えていただきました。上の部品は「チャコールキャニスター」日本語で言うと、「燃料蒸発ガス排出抑止装置」(FAJ取説では「燃料ガス蒸散防止機構」)という部品です。主な役割を簡単に説明しますと、燃料タンク内に溜まった気化したガソリンを、インマニに導いて燃焼させる、冷やして液化させタンクに戻す、脱臭して大気中に放散させるというものです。普段人目につかない場所で、こんなに大事な仕事をしている彼はまさに縁の下の力持ちです。ちなみに156の場合は、走行8万キロごとに点検となっていますが、外見から判断するのは素人には無理ですね。