ドレン
ボルト→
約2p
使用工具 グラインダー、ヘックスレンチ(10ミリと12ミリ)、メガネレンチ(10ミリ)、シールパッキン(液体ガスケット)
いじくり時間 90分前後
難易度 B
ミッションオイルの交換は、作業自体にさして困難さはないのですが、左の画像のとおり、ドレンボルトの緩む方向にミッションケースの壁がそそり立っているため、ちょっとしたSST(スペシャルツール)を作らなければなりません。SSTといってもL字のヘックスレンチを切断するだけなのですが、金ノコでは日が暮れてしまいますから、家にグラインダーがあるかどうかがDIYするかどうかの分かれ目になると思います。安くても1万円近くするグラインダーをこのためだけにわざわざ買うとしたらお金の無駄遣いになりますから。
なんだか縁故詰めみたいな画像ですが、グラインダーをお持ちの方は、切断砥石を使って10ミリのヘックスレンチを約1,5pの長さに切断してください。これより長くしますと、ボルトが緩むにつれて壁との間隔が狭まるため、緩んだはいいが外れないという滑稽な状況になります。(1回目やりました、私)
↑ドレンボルト(10ミリ)
↑注入口ボルト(12ミリ)
ミッションケース下部を車両前方から撮影した画像です。ヘックスボルトのサイズはドレンが10ミリ、注入側が12ミリです。もしかしたらホームセンターによっては12ミリは置いていないかもしれません。
なお、両方のボルトとも、シールパッキン(液体ガスケット=漏れ止め)処理されており、緩めるのにかなりの力を必要とします。L字を使う際はメガネレンチをかます方法(エンジンオイル交換のページ参照)でがんばってください。
切断したヘックスのビットをメガネレンチに差し込んでから、ドレンボルトにはめ緩めていきます。実はこの画像は先に話した失敗例で、この後メガネの差し替えが利かなくなり、にっちもさっちも行かなくなりました。ところで「にっち」「さっち」ってなんでしょう?
ドレンが外れるとオイルがとろ〜っと流れ出てきます。やはりエンジンオイルよりはだいぶ固い感じですね。このままでは抜け残りが多くなってしまうので、車体左側の馬を外して車を左側に傾けてください。50〜100ccくらいは追加で出てくると思います。(※この状態はボディをゆがめますから長時間続けない方がいいと思います。また途中でドアの開閉は絶対してはいけません。)
 
156の取説によれば、指定オイルは「SAE/75W-80を2L」となっているのですが、カーショップを数軒回ったものの、この数値のギアオイルは見つかりませんでした。そこで一番近かった、画像の75W-90にしたのですが、交換後特に問題は生じてません。
値段はエンジンオイルに比べて高価です。需要の問題(今時マニュアル車乗ってるのは、クルマに全く興味のない人から見たら一種の変態かもしれませんね)もあるでしょうが、最も安いクラスの左の製品でさえ、1000円/L以上します。BPの場合だとこの上には3000円/Lという高級品までありました。予算に合わせてお選びください。
 
ドレンボルトにシールパッキンを塗って締め付けたら、12ミリのヘックスで注入口ボルトを外し、溢れ出てくるまでオイルを入れます。ただし注入口はエンジンオイルと違って垂直面にあり、重力を使って注入できない以上何らかの装置を使って入れる必要があります。私は写真のオイル差し(?)を使いましたが、指がかなり消耗しました。シャンプーのボトルを使う人もいるようです。自分で適当に工夫してください。(←ちょっと投げやり)
たいていの方はフロントリフトして作業をされると思いますが、これではオイルが入りすぎることになるので、一度馬を外してクルマを水平にし、余分に入ったオイルを排出した方がいいと思います。注入口を締め付けるのに再度ジャッキアップしなくてはならず少々面倒ですが、ミッションオイルの交換は早々度々やるものではありませんから、がんばってやってみましょう。
オイルの量は、規定は2Lとなってますが、古いオイルを完全に抜くのは難しく、私の場合1,8L弱しか入りませんでした。
☆「グラインダーは無いけどどーしてもDIYしたい」という方、メールいただければ10ミリヘックスのビット、郵送で差し上げます。遠慮は入りません。1分あればできますので。
前回の交換から3年ぶり、走行距離では15,000キロを走って2回目の交換をしました。出てきたオイルはキレイなもので、交換後に走行してみても、全く体感変化ありませんでした。劣化が激しいエンジンオイルと違い、ミッションオイルは5年、5万キロとか、そんなくらいで十分かとも思いました。そもそも取り扱い説明書に交換指定がないくらいですからね。
 
※オイルは常温では固く、上のような容器で入れるのは大変です。そこで、新油はお湯を使って50〜60℃くらいに暖めておきましょう。まるで水のようにサラサラになります。エンジンが暖まる前に過激な走行をしてはいけないことが、こんなことからもわかりますね。
 
追記 2006.03.11
今回はこのオイルを使いました。2Lで4500円くらい。やっぱりエンジンオイルと比べて高価ですね。こちらは指定どおりの75W−80です。これで冬の寒い朝もスコンとギアが入るかな?