2006/03/18UP

使用工具 フレアナットレンチ(11ミリ、14ミリ、17ミリ+OMPホースの場合は13ミリも必要)、古歯ブラシ、エアダスター

いじくり時間 120分

いじくり費用 2万円程度(ホース含む)

難易度 A(A難〜D易)

 

以前、「危険なのでブレーキフルードの交換DIYはアップしません」と言っておきながら、必然的にブレーキフルード交換を伴う今回のDIYを紹介するのは矛盾かもしれません。でも、ここは「ブレーキフルード交換を確実にできるスキルをお持ちの方に参考にしていただく」ということでお許し願いたいと思います。くれぐれも、フルード交換したことない方、ブレーキペダルを踏むアシスタントを確保できない方は、これ見てDIYしないようにお願いします。
なお、今回のDIYに際しましては、相互リンクしているつちのこさんの「弐代目ALFA156」http://alfa156.sakura.ne.jp/のページが大変参考になりました。まだの方は、まずはそちらからご覧になってください。
 
さて、今回私が購入したのは、こちらイタリア製OMP社のステンメッシュホース。某ヤフオクで1万7000円即決でした。相場からするとやや高めでしょうか。ちなみに落札したその夜に、グッドリッジ社製のが1万3800円即決で出てました(泣
 
余談ですが、何となくホースは前後別売りだと勝手に勘違いしてました。購入して前後セットであること知り、得した気分になりました♪
これがフレアナットレンチです。メガネレンチの一部を切除したような形状で、ホースのクランプ部ボルトを回す専用工具です。実はこれを購入するのに半日無駄に費やしました。
てっきり近所の工具屋に行けばあるだろうと甘くみていたら、4〜5軒回っても置いてありません。結局JR御徒町駅そばにある自動車工具専門店「FactoryGear」http://www.f-gear.co.jp/まで行ってようやく入手することができました。価格は1本900〜1000円くらい。近所にホームセンターしかない方は入手に苦労されるかもしれませんが、これがないときちんと作業できないので、頑張って探してください。
なお、やろうと思えば、スパナで回すことも可能だと思いますが、ボルトをなめて適正なトルクでボルトを締められなくなる危険性を考えれば、是非このレンチを使ってほしいと思います。ただし、資金に余裕のない人は、17ミリは買わなくてもいいかな、ぼそっ。
 
OMPのステンメッシュホースです。開けてびっくり、見てびっくり。長短のホースが2本ずつ入っているのですが、どっちがフロント用でどっちがリア用かどこにも書いてありません。差し込み部の形状も4本とも全く同じ。自分で考えろということか、やるなイタ公。さらに、キャリパー側のボルトサイズはノーマルが14ミリなのに、OMPのは13ミリ。なぜ、サイズを変えるかなあ。
で、フロントの純正ホースを外してOMPのとサイズ合わせをしてみたら…、2本とも長さが違う! 結局、純正ホースはフロントよりリアが長かったので、OMPのもこれに倣って取り付けました。私は責任持てませんので、みなさんはご自分できちんと判断してください。
このイカリングみたいなゴムは、タイヤとの接触からホースを守っているものだと思います。はめ込みになっているので脱着可能ですが、OMPのホースは純正ゴムホースよりすいぶんと細いので装着できませんでした。間にゴムでも挟んで装着すべきだったかな?
まずホースを車体に固定しているクリップをプライヤー等で挟んで手前に引いて外します。回すのは上の11ミリボルトです。下の17ミリはホースと一体なので回りません。供回りを防ぐために押さえるだけです。上で17ミリのフレアナットレンチは要らないかも…、と書いたのはこれが理由です。
上側を外したら、キャリパー側を14ミリで外します。上の11ミリに比べると、締め付けトルクがずいぶんと弱いことに気付くと思います。締め付けの際はこのトルクを覚えておいて、締めすぎないように注意しましょう。ネジ切ったらキャリパー交換しかありません。給料の半分以上(?)飛ぶかと。

つちのこさんのページを読んで、作業中にフルードが漏れることを防止するため、画像のガス用ゴムキャップを用意しました。内径は9ミリで、外したパイプ側の出口に差し込み、上からホースバンドでぎゅ〜〜っと締めたのですが、漏れを止めることはできませんでした。もっと細い(4ミリ前後)ゴムキャップでないとダメですね。まあ、漏れるスピードは、ぽたりぽたりなので、無視して作業を進めてもいいのですが、どうも精神衛生上よくありません。

どなたか適合するようなキャップの入手先ご存じだったら教えてください。

※古いクルマ雑誌の記事に見つけました。キャリパーのブリーダーに付いているゴムキャップ! これをパチンとはめればOKのはず。正に「灯台もと暗し」06/03/19追記

普通の速度で作業をすれば、4本交換する間にリザーバタンクが空になることはないと思います。ただし、一度タンクを空にすると、後で補充してもブレーキライン中にエアが混入することになって良くないので、途中で点検して、大幅に減っていたら補充してください。

 

こぼれたフルードは、全作業完了後にホースの水を勢いよくかけて洗い流しましょう。フルードは水溶性のため、石油系のブレーキクリーナーでは落ちません。

OMPホースの接続部分は、純正とほとんど同じ形状をしていました。クリップはこのクビの部分にかけます。上の太くなった部分に溝が切ってあるので、何となくここにかけたくなりますが、絶対に入らないのでご注意を。

メッシュホースを装着してみて、なぜ市販車がメッシュホースを純正指定しないかが良くわかりました。純正ゴムホースは言うなれば「フニャ●ン」で、ぐねぐね自在に曲がり、ステアリングを切ってもしなやかに動きます。しかし、メッシュホースは「ピンコ立ち状態」で、小さなRで曲げるには相当な力が必要です。装着後、前輪をステアさせてみたのですが、画像に黄色い丸印を付けた辺りには相当なストレスが生じているのがわかりました。特にキャリパーとの接続部は、何かの拍子でいつポキンと折れるかわからないくらいに力が加わっています。
純正ゴムホースより長持ちしないことはまず間違いありません。つちのこさんもおっしゃってますが、これ付けたらこまめにホースを点検して、フルードの漏れやにじみがないか、ホースに亀裂がないか等を確認する必要があります。逆に言うと、自分で点検できない人は装着すべきではありません。

リア側も作業手順、ボルトのサイズ等全く同じです。

OMPホースの場合、画像中央のショックとのクランプにはめるゴムのサイズが大きく、はめ込むのに苦労しました。素手ではどうしても入らなかったため、シリコングリースを吹いた後、ウォーターポンププライヤーの幅を最大にし、上下に挟んで無理矢理押し込みました。

装着後です。フロントと違い、ステアしないのでホースのストレスは少なめと思われますが、もちろん、マメな点検が必要です。
上の画像と左右逆ですが、私の単なるミスですm(_ _)m
 
 
 
さて、装着後のインプレです。
ぐにゃっとしていたのが、カチッに近づきました。さらにブレーキペダルの遊びが少なくなり、踏んでから効き始めるまでの時間が短縮されています。なかなか良いです。ただし、ご存じとは思いますが、ブレーキの制動力自体には何らの変化はありません。
 
だいぶ良くなったとはいえ、以前mitsuさんに運転させてもらった147セレ左ハンドル車のブレーキのほうが、タッチ、効きともにずっと上です。これまでローターやらパッドやらいろいろ手をかけてきたのに、フルノーマル車に届かないというのは何とも残念で、複雑な心境であります。
おまけコーナー
ホース交換終了後、フルード交換のブレーキ踏み役はいつものとおり妻にやってもらった。「踏んでー」といってドレンを緩めるも、一向にフルードが出てこない。ホースを4本交換したのだから、エアが全て出るまでにはかなりかかるのだろうと思い、他のキャリパーを試してみたがやっぱり出てこない。ハテナと悩み出したところで妻が「えっと、ブレーキってどれだったっけ?」。なんと、妻はペッタンペッタンとクラッチを踏んでおったのだ。
足立区付近をクルマで走る機会のある方、ロッソの羽根付き156が走っていて、運転席に黒木瞳に似た色っぽい中年女性がいたらそばに近づかないことをおすすめします。
 
※上記記載の表現中に、事実と著しく異なる部分があったことを深くお詫びします。