Twin Spark and Intake System
ようするにインテークダクトを途中で分岐させて、その先にエアクリーナーを設け、エアの入り口面積を拡大することで、吸入量の増大→レスポンスとパワーのアップを図ろうとするシステムです。
増設するエアクリーナーにあっては、いわゆる「毒キノコ」タイプが有効そうにも思えますが、市販価格は1万円前後と、ただの三角形のスポンジにしてはメチャクチャ高いっす。そこでディスカウントをモットーとする当HPですから、今回も流用連発です。
まず、エアクリーナーはダイハツとのコラボレーションにより、ミラターボ、ムーヴターボ用を採用しました。アルファとダイハツのコラボ。一見あり得なさそうですが、過去にはシャレード デ・トマソを出したダイハツのことですから、将来マックス アルファ・ロメオなんて仕様を出すかも? そう言えばマックスのテールレンズなんて、既に156とコラボ済み?!
おっと話が脱線しましたが、このエアクリーナー、近所のホームセンターでたったの1680円でした。660ccのターボエンジン用ですから、NAにすればざっと1Lくらいでしょうか。ノーマルと合わせれば、3Lエンジンのキャパに相当することになりますね。
で、問題になるのがエアクリボックス部分。できればクリーナーの交換ができるよう、脱着できるタイプにしたかったのですが、ピッタリはまる容器などあるわけないですよね。やむを得ず、周りがゴムシートで底部がアクリル板のボックスを自作しました。隙間からエアを吸わないよう、接合部は全て接着剤で二重三重に固めてあるので、交換は不可能。汚れたときには、大変ですがまた作り直さねばなりません。解体屋に行ってボックス探してこようかな。
次に問題となったのが、分岐させてボックスまで引っ張ってくるフレキシブルホース。クルマのダクトに使えるものなんてそこら辺では売ってませんし、ネットで検索してみたら、レースで使うような専用品はメートル当たり1,5万円とかするんですよ、これが。そこで見つけたのがこれ。1メートルたったの380円。えへへ、これって洗濯機の排水ホースなんですよ。あっ、そこのあなた、ちょっと引きましたね。まあ、最後まで読んでくださいよ。
で、このホースですが、外側は補強の芯が巻き付いていて凹凸が激しいものの、内側はほぼ平滑になっていて吸入抵抗は問題なさそう。強度もまずまず。耐熱性は期待できませんが、エンジンやエキゾーソストの直近は通らないので多分大丈夫。
この他には、接続用に塩ビ製の水道管継ぎ手を2種類準備しました。真っ直ぐの方はエアクリボックスからのアウトレット用、L字の方はノーマルダクトからの分岐用です。どちらも肉厚だったので、接続する部分でパイプの内面を削って角を落とし、少しでも抵抗が減るようにしました。
ツインスパークエンジンにツインインテークシステムを追加!! 名付けてTSIエンジン。さてその成果や如何に?!
今回用意したパーツ。ゴムシートは厚さ5mのもので250円くらい。水道用の継ぎ手も1個100円もしません。意外と高いのがアクリル板で、1000円近くしました。この他には接続部をかしめる金属バンドが必要です。パーツ代は全部で4000円弱でしょうか。
エンジンへ
外 気
左は完成したエアクリボックスです。ま、見た目はご覧の通りで、自慢できるようなシロモノではありませんが、普段人に見せるものでもないでしょうし、良しとしましょう。
L字の継ぎ手を装着した状態のエアダクトです。右上方向がエンジン側になります。もちろんL字の出口は3本ともエンジン方向を向いています。
本来、吸気システムには「慣性吸気」という働きがあって、前の気筒が吸い込んだときに発生した負圧をダクト内に残しておき、次の気筒の吸気弁が開いたときに、慣性でエアが流れ込むよう設計されています。ダクトを取り外して、インテークマニホールドの直近に毒キノコをダイレクトに装着した場合に中低速のトルクが落ちてしまうのは、この慣性吸気が働かなくなってしまったことによるものです。
そこで、できるだけこの慣性吸気の働きに影響を与えたくなかったので、可能な限りエンジンから遠い位置でダクトに穴を空けて分岐させました。結果的に慣性吸気の働きに悪影響はなかったと思います。
 
※吸気作用についてはこのくらいしか知りませんので、詳しい方がいらっしゃいましたらアドバイスください。
ノーマルダクト
ダクトの内部です。奥の方がエンジン側になります。L字の出口が次のL字と干渉してしまったのは設計ミスでした。
なお、蛇足になりますが、ダクトは手前の黒い部分が軟質素材、奥の白く見える部分が硬質素材の複合樹脂で出来ています。穴空けの際、黒い部分はカッターで十分でしたが、白い部分はドリルが必要でした。
取付後の状況です。増設エアクリの設置場所は、左フロントフェンダー内部にしました。水色の斜線で示した部分は、本来黒色の樹脂カバーで覆われているのですが、これを外すと広大な空間が出現します。買い物しすぎてトランクがいっぱいになったときなど、コンビニの袋1つ分くらいはこの中に収まりそうです。(←ホントにやらないでね)
 
さて、いよいよTSIエンジンが完成しました。みなさんお待ちかねのインプレに入ります。
エアフローメーターの設定をリセットするため、バッテリーの極を片方抜いてからエンジンをかけます。最初に感じたのは音の変化。プリッピングくれてやると、「ズヴォッ」という、いかにもの吸気音がするようになりました。走り出してみても、「ズヴォォォォ」という吸気音が幾分聞こえてきます。いい音かどうかは意見の分かれるところかもしれませんが、飛ばしてるときにその気にさせる音ではあります。
性能については、低回転から高回転までわずかながらトルクが上がったのと同時に、レスポンスが良くなった感じを受けます。多分に音が与える影響もあるでしょうが、5500回転辺りからの針の動きも速くなったように思います。少なくとも性能ダウンしていないことは間違いなく、最低でも1馬力は出力アップしたのではないでしょうか。156だけに156馬力……。お後がよろしいようで、テケテン。
さらばTSIエンジン
2006/07/30
これ取り付けたのが3年半前、以来走行約2万キロ。自分としてはエポックメイキングなチューンのつもりで一人悦に入っていたところでしたが、皆さんから意見を聞いた上でよくよく考えてみたら、効果のほぼないことに気付きました。キャブレター式エンジンと違い、燃料噴射方式では、吸気量増やしても自然とガソリンの噴射量が増えるわけではないのですね。
ホースやら何やらは自然と劣化し、万一ダイレクトエアでも吸うと厄介なので、取り外しました。何となくユーノス号のアイデンティティでもあったような気がして少々残念でしたけどね。
 
外してみての感想。いやあ、静かになりました! 上にも書きました「ズヴォォォォォ」という下品な音が無くなり、TSエンジン本来の心地よいメカノイズと排気音が聞けるようになりました。加速性に変化はなし。やはりね。
さらばTSIエンジン。