弐代目 アルファ156 アルファロメオのメンテナンスなどなど弐代目Alfa156は、つちのこが作成しています
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フロントブレーキパッド交換(2004/3)
うちの弐代目のブレーキはめちゃめちゃ効きません。タッチはともかく、効き始めの立ち上がりが弱いのと、フルブレーキ時の絶対的な減衰力に欠けているので、はっきり言って走ってて怖いくらいです。

壱代目の時は問題なしだったんだけどなぁ。初期ロットだからなのか、各部品がヤレてきてるんだか、それともV6ゆえフロント加重が大きいためなのか。姉のZ3にたまに乗ると効き過ぎて怖いくらいなので、やっぱりブレーキ系そのものが悪いようである。

さらに言えば、高速走行時(約100km/h以上)にブレーキ踏むと思いっきりジャダーがガクガクガクガクと発生するので、こいつもなんとかしたいものである。何となく犯人は見えているのだが。

いきなりブレーキシリンダーやキャリパーのオーバーホールに走るのも何なので、とりあえず不良診断も兼ねてパッドだけ交換することにした。

さて、一般的に「ブレーキは重要保安部品なので整備は専門家に任せるものである」、としているDIYページがほとんどである。これについてきちんと調べてみたので解説してみよう。

まず、整備・車検に関する法律は「道路運送車両法」にて定義されている。この原文を読んでいくと・・・全然判らないじゃん!(;´Д`)
まあどの法律もそうだが、具体的な事例は記載されていないのが普通。なので、その具体的な「お達し」を出すべき省庁である「国土交通省」関連を片っ端から調べてみた。

以下引用:
■ 国土交通省 関東運輸局より

自動車の保安上重要な部位である原動機、動力伝達装置、制動装置等を取り外して行う整備又は改造を「分解整備」といい、この分解整備を事業として経営しようとする者は、自動車分解整備業の種類及び分解整備の行われる事業場ごとに地方運輸局長の認証を受けなければならない(参考:道路運送車両法第78条)

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・・・えーと、要するに分解整備に該当する作業は、認証を受けた工場で行えと、そういうことですね。
じゃあ次に、分解整備って何じゃい、ってのを引用してみよう。

■ 国土交通省 東北運輸局より
以下引用:

○ 分解整備の種類と作業の範囲
・原動機
原動機を取り外して行う自動車の整備又は改造

・動力伝達装置
動力伝達装置のクラッチ(二輪の小型自動車のクラッチを除く。)、トランスミッション、プロペラ・シャフト又はデファレンシャルを取り外して行う自動車の整備又は改造

・走行装置
走行装置のフロント・アクスル、前輪独立懸架装置(ストラットを除く。)又はリア・アクスル・シャフトを取り外して行う自動車(二輪の小型自動車を除く。)の整備又は改造

・操縦装置
かじ取り装置のギヤ・ボックス、リンク装置の連結部又はかじ取りホークを取り外して行う自動車の整備又は改造

・制動装置
制動装置のマスタ・シリンダ、バルブ類、ホース、パイプ、倍力装置、ブレーキ・チャンバ、ブレーキ・ドラム(二輪の小型自動車のブレーキ・ドラムを除く。)若しくはディスク・ブレーキのキャリパを取り外し、又は二輪の小型自動車のブレーキ・ライニングを交換するためにブレーキ・シューを取り外して行う自動車の整備又は改造

・緩衝装置
緩衝装置のシャシばね(コイルばね及びトーションバー・スプリングを除く。)を取り外して行う自動車の整備又は改造(トラック等のリーフスプリング、エアスプリングが該当します。)

・連結装置
けん引自動車又は被けん引自動車の連結装置(トレーラ・ヒッチ及びボール・カプラを除く。)を取り外して行う自動車の整備又は改造

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以上が分解整備に該当するのだそうだ。今回の作業もキャリパーを取り外すことになるので「分解整備」に該当することになる。

ちなみに段階的な規制緩和により、以下の2項が追加された。
以下より引用:
■ 沖縄県 経営金融課(wより

分解整備検査の廃止
・自動車使用者が分解整備を行った際の国の検査の廃止。
・自動車使用者が分解整備を行った場合は点検整備記録簿へ整備の概要を記載すること。

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要するに、これまでは個人がDIYで分解整備に相当する作業を行った場合、車検を受け直さないといけなかったのが、整備簿への記載だけで良い、ということである。えらい簡略化だな(;´Д`)

余談ですが、サスペンション機構(ダンパー・スプリング・スタビライザー)は規制緩和されて分解整備指定から解除されたんですね。だから最近街のタイヤ屋さん・パーツ屋さんでも交換してるんですな、なるほど。

どーでもいいけど、お前ら一カ所にまとめて説明しろよ!

注意:この文は2004/4に記述しました。今後の法改正により上記内容が変化することが予想されます。

前置き終了。
なお、パッド交換手順については、ユーノス156さん、Dさんのページを参考にしております。

■ Alfa156いじくり部屋
■ イカモノalfa156

今回はフロントのパッドのみ交換しております。

まず、タイヤ外してウマかけて、作業しやすいようにハンドルを切っておいてください。

次に、写真矢印のとこからゴムの蓋を取って、中にあるスライドピンボルトを抜いてください。
ユーノスさんとこでも解説がありますが、こいつは7mmHEXなどという謎のサイズのボルトです。その辺のホームセンターではまず間違いなく取り扱っていないので、専門の工具店で購入する必要があります。
ボルトが抜けづらい場合は、回しながら引っ張り気味にすると大抵取れてきます。

また、キャリパーに付いているロックピン(針金みたいなやつ)を取っておきます。マイナスドライバー等でこじればすぐ抜けます。

(この作業には写真がありません・・)

スライドピンボルトを抜くと、キャリパーが抜けるようになります。ローター中心から外側の方へズリズリと抜きだします。

この時ブレーキホースは繋がったままなので、適当にぶらさげたままにしておくとホースに負荷がかかり、最悪ホースが切れたり破れたりして大変危険です。この後の作業は、適当な高さの作業台を持ってきてその上で行うこと。ちなみに私は、K&Nエアクリーナーの空き箱を使ってました。

ブレーキパッドを交換する前に、キャリパー本体・ピストンおよびゴムシール・スライドピン周りを掃除しておきます。金属部分はパーツクリーナー、ゴムはエチレン(塗料うすめ液)でふき取り掃除。なお、ピストンの内側は錆まくっているかと思いますが、どーにもならないので適当なところで切り上げてください。
また、ゴム部品にはシリコングリスを塗っておきます。今回は「モリラバーグリス」を使用。これも専門工具店じゃないと売ってません。

いよいよブレーキパッドを新品に交換します。
まずピストンを戻す必要があるのですが、ピストンを戻すとその分だけブレーキフルードがリザーバタンク側へ戻ってきます。ほぼ新品の状態で無い限り、フルードが適正量入っている状態ならば溢れることになるので、ある程度抜き取っておく必要があります。
100円ショップで売ってるポンプ容器(の頭)で抜き取ると便利です。

その後、ピストンを押し戻します。手で押し戻すにはかなりの怪力が必要なので、私は大きめのクランプを使用しました。片方はキャリパーの外側、もう片方(ピストン側)は傷防止のため古いパッドをあててグリグリと回す。戻せるだけ戻して構いません。

新しいブレーキパッドを装着します。このとき、パッドとキャリパー及びピストンが当たる部分に、鳴き止め用グリース「スミコーブレーキシムグリース」を塗っておきました。ちなみにこのグリースはすごくベトベトしているので、指で直接塗ると大変なことになります。シリコン手袋など用意しておくと良いです。

パッドを装着したら、キャリパーを元に戻し、スライドピンを締めます。締めすぎ、ゆるみすぎ、ネジ山なめに注意。

ロックピンはとても固いですが、キャリパー側の穴に2本差し、キャリパーガイド側に片方を当ててから、もう片方を怪力でキャリパーガイドにはめ込むとなんとかいけます。痛いですが、指ではめるのが確実です。

左が交換した新品パッド、EBCのGreenStuff。パッド表面には何やら謎の成分が混ざっているのが見て取れる。

右は装着されていた純正パッド(おそらく)。ダストはそこそこ、鳴きもそれほどではないが、さっぱり効かない駄目パッド。ちなみに全然減らないので「減ってから交換しよう」とか考えてると一向に交換できません。

厚みを比較。やっぱ純正は全然減ってないな・・1年前の購入時に厚み10mmと記載されていたので、2〜3mmしか減ってない感じ。

というわけで、交換できました。
交換後、いっぱいまで押し戻したピストンを戻すためにブレーキペダルをガンガン踏んでください。その後、ブレーキフルードの量を確認して、足りなかったら継ぎ足すこと。

また、交換後は極低速で試走して、ちゃんとブレーキが効くか確認してください。効かなかったら大変です。その後、当たりが付くまでしばらくは大人しく走行しましょう。

■ 交換後の感想

ブレーキ制動力30%程アップした感じ。うん、良い感じ。
乗ってて身の危険を感じる程ではなくなりましたが、やっぱりBMW・Z3よりは不安すぎます。

ダストはほとんど出ず。雨の日の泥のほうが目立つ感じ。

踏むと「ムゥ〜ン」という低い音でパッドが仕事してるのが聞こえてきます。純正では全然そんな音しなかったので、気分的に効くように感じます。でも、何か変な気がします。
「キ〜」という鳴きが少々出るのだが、純正パッドでも似たような感じだったので、とりあえず無視。許容範囲だし。

高速走行時ブレーキのジャダーは全く変化なし、ひどいもんだ。よって犯人はTAROXローターと推測。スリットの効果なんぞ全然無いぞ、まったく。これも前オーナーの負の遺産なんだよな、もう。

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