弐代目 アルファ156 アルファロメオのメンテナンスなどなど弐代目Alfa156は、つちのこが作成しています
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1998y V6-6MT

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156は壊れるのか?
イタ車全般に言えることですが、「壊れやすい」というイメージがどうしても付いてまわります。'70〜'90前半の車、アルファロメオであれば155、164あたりまでのオーナーならばあれば多少は実感されていることでしょう。また、この問題はイタリア車に限らず、ドイツ・フランス・イギリス車、要するに欧州車全てに共通することとも言えます。

一言で「壊れる」と言っても、いろいろな意味があります。

1.消耗品が消耗すること、
2.推奨交換期間が十分長い部品が寿命に達したこと、
3.偶発的に部品が壊れること、

全て意味合いが異なります。が、知識のないオーナーから見れば全て「壊れた」になってしまうかもしれません。
オーナーによっては、消耗品の交換頻度を多くすることにより見かけ上壊れないようにされているでしょう。「この車壊れないよ。でも、消耗品はきっちり交換しないと駄目だよ」という言葉もよく聞かれますが、他人から見れば「やっぱ金かかるんじゃん」という何か釈然としない気分にさせられます。

まず、車によって、人間によって「壊れる」という言葉の定義も条件も違う事が前提としてあります。
例えば、欧州車において消耗品とは文字通り消耗するものであり、消耗したらその都度交換するものである、ということが常識となっています。また、日本車では「消耗品」に該当する部品が比較的少なく、欧州車では定期交換が前提のダンパーやブレーキローターなどは、消耗品という意識はほとんど無いでしょう。

えらい長い前置きですが、このような欧州車の常識に基づき156も開発されています。消耗品は消耗し、交換することが前提です。また、この考え方が浸透していることにより、交換が難しい・コストがかかる部品も交換が前提のように考えられている部品が見受けられます。

上記「壊れる」の1.に該当する、つまり消耗品として定義される主なものとして、以下のものが挙げられます。
・ブレーキパッド、ローター
・ダンパー、及びそのブッシュ類
・各種アーム、サスペンションのゴムブッシュ
・エンジンマウント
・燃料フィルター
・各種エアフィルター
・各種オイル、フルード類

この中で、足回りの部品が多く含まれていることが特徴としてあげられます。156のノーマルの足回りはゴムブッシュによって作られている、と言えるぐらいブッシュの役割は重要です。そのため、足回りがヤレるのも早いです。およそ3年も経過すればダンパーも含めて寿命と考えて良いでしょう。

困ったことに、サスペンションアームのブッシュ類は圧入のうえ、焼き入れ加工されています。つまり、ゴムブッシュのみの交換が不可能なため、アームASSY単位での交換が前提となっています。乗りごこち改善のためだけに数十万単位のコストはかける気にはならないでしょう。ということで、初期型156のほとんどは足回りがヤレきっていると考えて良いでしょう。うちの弐代目も同様です。

また、日本車の常識とは異なる部品が壊れることも往々にしてあります。電装系や水冷系ですが、これは欧州での開発基準の車をそのまま日本に持ち込んでいることが原因です。'90年前半までの欧州車は例外なくこれに該当します。

欧州と日本の違い、それは気候です。日本に住んでいると気になりませんが、日本は高温多湿の珍しい気候であり、欧州、アメリカ、アフリカ、中東は気温の差はあれどどこも低湿です。高湿の気候は各種部品の寿命に大いに影響します。

例えば、欧州車のエアコンは大抵効きが悪いです。日本車のエアコンは大抵効き過ぎて寒いくらいです。これは欧州車が劣っている訳でなく、日本以外ではこの仕様で全く問題無かったからです。原因はやはり湿度。日本車はこの湿度の違いにいち早く 気が付いていただけです。現在はメルセデスもBMWも亜熱帯向けのエアコンを開発して日本車に搭載しているようです。
日本の気候恐るべし。

同様に、すぐオーバーヒートする、ゴム系の部品がすぐ駄目になる、電気配線が腐る、ショートする、ボディが錆びる、車内がカビる、全て湿度が最大の原因です。
残念ながら、156はこれらの点についてまだ耐久力を検証できるほど時間が経過していません。見たところ、少なくとも一世代前の155・164よりは設計思想がよくなっているものの、見たところ日本車よりは明らかに劣っています。
こういった電装系・水冷系の部品も修理・交換が必要である、という意識を持っていないといけません。
また、上記以外の156固有の故障しやすい箇所として、
・セレスピード機構周り
・パワステ系
・エンジンの各ベルト系
が挙げられます。

セレ系は初期型にリコールが相次いでいることもあります。また対策品と言っても、耐久力が向上していても当然いつかは壊れるのでこの寿命がいつになるか、というのは大いに気になります。10年持てば上出来かと予想していますが、果たして・・・

V6エンジンの車は、右ハンドル化の弊害もあって回転半径が大きいこともありパワステにどうしても負荷がかかります。ここも耐久力しだいの箇所です。使い方が悪いと3年程度で壊れる、という事例もあります。

イタ車といえばタイミングベルト、というくらい話題になる部品ですね。オーナーによっては車検毎に交換されている方もいますが、私的には過剰交換と思います。

156においては、ベルト自体は十分な耐久性が確保出来ています。5〜6年は信頼できます。実際にはテンショナーやガイド系が壊れたり、自動調整範囲から外れたりしてコマ飛びするケースが多いです。

TSエンジンの吹け上がり・吹け落ちの鋭さを考えれば、ベルトによって駆動される各部品に大きな負荷がかかることは理解できるでしょう。現在のTSエンジンでは、これらの部品の破損確率が高くなっています。
V6エンジンはTSと比べると耐久性は高いです。理論上は6年程度は十分保ちます。しかし、やはり各部品に負荷がかかることは避けられません。

また、交換の手間がかかることもあり、結果としてベルト駆動される各部品を全て同時に交換することになってしまい、コストがかかることも悩みのタネですね。やはり、替えると決めたからにはケチらずに替えておくべきでしょう。

結論として、156は決して壊れやすい車ではありません。しかし、156における消耗品をきちんと把握し、弱点も理解しておく必要があります。日本車の感覚で放置しておくと「消耗品」が消耗していることに気づかず、結果として「壊れる」ことにつながります。
また、むやみに予防交換する必要はありません。各部品の寿命とヘタり具合をきちんと把握することが何よりも重要です。

対策として、信頼できるショップに定期的に点検してもらうか、あるいは自分で定期的に点検することです。どうしても他人にお願いすると、コストが発生して手をかけられない事態に陥りがちです。時間の許す限り、自分で点検できるようにしておくことをお勧めします。

やってみれば、以外と簡単ですよ!
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