・効能、効果があいまいに記述されている
「パワーアップ」「動きがよくなる」「性能が上がる」「燃費向上」「トルク増加」・・・大抵の商品には目移りするような効能が記載されていますが、改めて考えてください。「どのような条件」で「どのような効果が得られた」か、具体的に記述されていますか?
まず、何も無い場合はお話にもなりません。論外。
で、大抵は何か書いてあります。で、次に見るのは記述が具体的か、ってところ。どのぐらい「燃費向上」したのか、どのぐらい「パワーアップ」したのか、具体的に比較されていることが重要です。
例えばエアコンや冷蔵庫なら「電気代」などが便利な指標としてありますね。「10年前の当社製品と比較して、電気代が1/10に」なんてのがそうです。
その後に注意する点は、どのような条件でテストされたか、です。クルマ、環境、季節、ドライバー、その他何らかの変化について、記述されていますか?
例えば、「燃費が向上する」という製品があります。そのテストで、「同じコースを走っての実測値」と記述してあったとします。さて、何か違和感を感じませんか?
揚げ足を取るようなことですが、このテストで言う「燃費」って何なんでしょうか?「走行距離/燃料消費量」が燃費の算出式ですが、「走行距離」も「燃料消費量」も記述されていないとすると、どのような状況でテストされたのか判らなくなります。
同じ走り方なのか?走行タイムは?ドライバーは同じか?全く同じアクセル操作を行ったのか?同じ日にテストしたのか?晴れなのか、雨なのか・・・?全て不明だったら、テスト結果も正しいのかどうかわからなくなります。
「そんなの同じに決まってるだろ」と思う方もいると思います。しかし、「記述されてない以上、同じではない」と考える方が正解です。
テストというものは、理想的にはテストする要素以外の変化は全く無視できる状態にすることが求められます。厳密にはこれを実行するのは難しいですが、近づけることはできます。同じ日に同じコースで同じクルマを同じドライバーが運転する、測定サンプルを増やして誤差を少なくする・・統計手法はいくらでも確立しています。 そして、この測定条件や統計手法を細かく公表することが、そのテストの信頼性を向上させることにつながるのです。
信頼できる測定条件でテストして良い結果が得られたのであれば、その条件をきちんと公表することを否定する理由はありません。なぜなら、そのテスト結果は、商品が優れていることを間違いなく示していることになるのだから。
また、統計手法をうまく利用することにより、あたかもそのテスト結果が大きな効果を生み出したかのように見せることもできます。
判りやすい例は、グラフです。グラフの軸にきちんと単位や目盛りが割り振られていますか?折れ線グラフの見た目で差異はあっても、数値がその見た目と同じように違う、とは限りません。
数値では4.4psしか違わないのに、図では123.7psの8分の1くらいの差にもなっている、などというのも統計手法の一つです。 もちろん、真面目に公表しないのはそれなりの理由があるからです。
ちなみに元ネタはこちらです。
もう一度考えてください。
「燃費が良くなります」「トルク向上します」だけで、信用できますか・・?
|