さて、原因を調査する作業に移ろう。
前述のように、原因と現象を分けて考えていかないといけない。
分けていくと、おのずと、ある現象の原因は、別の不具合が生じさせた不具合現象になるはずである。
これを順々に追っていくと、最後に大本の不具合の原因が発見できることになる。原因の原因の原因は何なのか、ということだ。
大抵の場合「原因の原因」を取り除かなければ、「原因」を直してもすぐにその不具合が再発してしまう。
判りやすい例としては、電気配線がショートしているのに、切れたヒューズだけ交換してもすぐにまた切れてしまう、といった場合だ。
経験がない、あるいは単純に能力がない場合、表面的な原因を見つけてすぐ処理しがちであるが、こうやって深遠に迫ることによって、さらなる修理技術の鍛錬につながることになる。
この原因調査こそが、一連の修理作業の中で最も能力が必要とされる内容である。
大抵の場合、工場長などの信頼のおける立場の人が実施しているであろう。
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