弐代目 アルファ156 アルファロメオのメンテナンスなどなど弐代目Alfa156は、つちのこが作成しています
■弐代目 Alfa156
1998y V6-6MT

メンテナンス・DIY整備

整備記録

弐代目156 購入への道

すぐわかる 弐代目156
■壱代目 Alfa156
2000y TS-Sele

壱代目156 購入への道

156の安全性

役立ち雑記帳

不定期日記

リンク

新・掲示板

過去の企画物ページ

当サイトのご案内

メール

修理について − 2.不具合原因の調査
2.不具合原因の調査

1.で不具合現象を認識できたら、次は何が原因なのか調査する作業に移る。
ここからは作業者のみが実施する作業である。もちろん必要があれば、使用者にその都度確認をしなければならない。憶測だけでは満足な調査は出来ないのだ。

この作業で最も重要なことは、現象と原因を取り違えないことである。

具体例として、私がエンジンマウントを交換した時の話を挙げて説明しよう。
このとき私が認識していたのは以下の情報である:
1.エンジンマウントがヒビ割れている
2.シフト操作が固い
3.アクセルオン・オフによる振動が大きい気がする

このうち、原因に相当するのは1であり、現象に相当するのは2.3.である。
つまり、部品が壊れていることそのものは不具合現象ではない、ということである。この点については大いに注目して頂きたい。

何故原因と現象を分けて考えないといけないのか。
これもやはり1.と同様、何を直すのか、きちんと認識しておかなければいけない、ということが理由である。

部品が劣化していたので交換した。
この作業自体は間違いではないし、むしろ良いことである。
がしかし、その部品は本当に劣化していたのであろうか?劣化していたとして、何か不都合が生じていたのであろうか?この点をきちんと認識した上で交換する必要があるのだ。

部品にはそれぞれの役割があり、その役割がこなせているのであれば、その部品は正常である。
一見劣化しているようでも十分な性能を保っているかもしれないし、逆に見た目が綺麗でも性能を満たしていない場合もある。一言で「劣化」と言っても、いろいろな状態なのだ。

さて、原因を調査する作業に移ろう。

前述のように、原因と現象を分けて考えていかないといけない。
分けていくと、おのずと、ある現象の原因は、別の不具合が生じさせた不具合現象になるはずである。
これを順々に追っていくと、最後に大本の不具合の原因が発見できることになる。原因の原因の原因は何なのか、ということだ。

大抵の場合「原因の原因」を取り除かなければ、「原因」を直してもすぐにその不具合が再発してしまう。
判りやすい例としては、電気配線がショートしているのに、切れたヒューズだけ交換してもすぐにまた切れてしまう、といった場合だ。
経験がない、あるいは単純に能力がない場合、表面的な原因を見つけてすぐ処理しがちであるが、こうやって深遠に迫ることによって、さらなる修理技術の鍛錬につながることになる。

この原因調査こそが、一連の修理作業の中で最も能力が必要とされる内容である。
大抵の場合、工場長などの信頼のおける立場の人が実施しているであろう。

では、どうやって原因を調べるのか。

こればかりは地道に調べていくしかない。配管をさぐり、配線を目視し、テスターで測定する。
たたいたり触ったり耳をかざしたり、人間の感覚に頼ることもあれば、各種測定器で分析したり、ダイアグテスターで読み取ったりする場合もある。

余談だが、当然設備の有無より「原因の原因の原因」まで調査できないことも考えられる。
真面目に調査するには分析センターに持ち込み、破断面や素材の不均一、劣化度の測定なども要求されるが、これはメーカーに任せればよい。
まともなメーカーであれば「品質管理部」なる部署があり、市場で発生した不具合について調査しているはずだ。
重要な不具合であればリコールを行い、簡便な改善などは部品型式の変更で対処し、日々信頼性を高めていくはずである。

まとめ:
・現象を元にして、原因を地道に一歩ずつ調査していく
・原因と現象を混同しない

この2の作業がきちんと終了すれば、不具合はほぼ治ったも同然である。

雑記帳 Indexページ
「弐代目 Alfa156」 TOPページへ戻る