ということで、祭りは終わってしまった。
遅くとも明日のうちには日本中がこれまで通り日常の姿へと戻るだろう。観戦客はもちろん、通常の旅行客もしばらくは少なくなるであろう。都庁周辺でよく見かけた、緑色の服を着た老夫婦などは1ヶ月前同様にいなくなってしまい、台湾・中国・韓国などなど、アジア各国からの旅行者が目立つようになるだろう。
今回の大会は、日本で行われた。日本以外の国であれば、その国へ旅する時点でそれは非日常となる。しかし今回は日常のそばに非日常が発生した。
最初は異分子であった非日常が次第に日常の世界を侵食し、そして非日常は日常の中に溶け込むことに成功し、1ヶ月後には日常における一つの事象とまでなった。これまで無かった現象が、一つの文化として生活の中に溶け込んだのだ。
それら新しい日常は、至極普通の形で現れている。
試合を見にいく。応援をし、良いプレーには喝采を、悪いプレーには非難を与える。各国の試合を毎週テレビで何試合も見る。日本の代表を応援する。勝てば喜び、負ければ我が事のように悩み、討論する。休日には自分達でも試合を行い、公園では親子でボールを蹴りあう。
当たり前のこと、どうということのないことが、ごく普通に自然に行動に出る。Footballは日本に溶け込んだ。
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