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役立ち雑記帳−SEVを科学してみる
インチキ商品についての考察紹介文章についての考察に続き、今度は科学的に分析してみよう。

SEV体験フェアなるものに、ユーノス156さん他皆様と参加した後なので、少々後出しジャンケンの感もあるのだが、実物を見ないと判らないことが多々あったのでご容赦願いたい。

ちなみにユーノスさんのインプレもご参考に。

さて、まずはSEVの物理的な構造から。
簡単な構造については特許庁データベースに掲載されているので事前に調査済み。また今回実物を見てきたので、商品毎の構造の違いなども把握できた。

基本構造は上図のようなものである。特許文中に記載されているのと同様であった。モナザイト粉末を混ぜた樹脂(ゴムの一種と思われる)を、表側に鉛板、裏側に銅板を張り合わせただけである。
また、単純にこれらの板を積層しただけであり、横側は特になにもしていない。インテークや燃料ホースにまきつけるタイプのものはすべてこれであった。
シールタイプのものはこの構造体を薄く作り、貼りやすいようにアルミテープを表裏貼り合わせているようだ。

これらと少々異なるのは、H-1、H-2と呼ばれる商品で、こちらは前記した構造体の外側を、アルミないしは真鍮でぐるっととりかこんだような構造のようだ。明らかに他の商品よりも重量感があるので、外皮の金属比率が高いように思われる。

さて、SEVはどのような現象をもたらすのだろうか?
説明員に聞いても論理的な説明が得られなかったので、こちらも特許文から調べることにしよう。

まずは簡単に説明しよう。

1.自然に放射線を放出している放射性物質を用意する
2.1の物質を、金属板(この場合は銅と鉛)で挟むと、なんと放射線量が増加する
3.増幅された放射線が、空気・燃料・オイル等をイオン化(?)させる
4−1.イオン化した空気は、より燃えやすくなる
4−2.イオン化した燃料は、より燃えやすくなる
4−3.イオン化したオイルは、(略

・・・書いててアホらしくなってまいりました。

アホらしいのだが、順に説明していこう。
まず、2.だが、あちこちで茶化しているように、何故増加するのか未だに原因は解明されていない。特許出願時から4年以上経過しているが、やる気あるんでしょーか。
今や、原子の構造はおろか、「原子を構成している成分」を構成している成分は何か、という研究が成されている現在である。明らかに調べる気が無いと断言できます。さらに、もし本当に科学的に説明できない事象なのであれば、それだけでも世界的な大発見です。測定する以前に「測定できないもの」を発見しただけで、大発見なんですよ。

3.についても頭が痛くなってくる。
イオン化って何ですか?確かにガンマ線当てればイオン化するかもしれないですが、すぐに結合しちまいますよ?
結果、4.以降の効果がどーのこーのなんてのは、全く意味がありません。

また、このページを書くための調査中に、つい最近ではあるのだが、SEVは米国特許も取得していたことを初めて発見したので、ここで改めて訂正して記載しておこう。
参考:United States Patent;6653646

当たり前だが、発明の内容や構造物の紹介、技術的な説明については大方日本のものと同じである。原理については、相変わらず、'Further studies are necessary to explain clearly'(詳細な解説を行うには、さらなる研究が必要である)などと記載されているのも一緒だ。

また、こちらの文中でしか表現されていない、興味深い文節を2つ発見したので紹介しよう。

'Although the present invention may use monazite powder as the radioactive means, any legally permitted radioactive substance may be employed. '
(この発明では放射性物質としてモナザイト粉末を使用されるであろうが、そのほか法的に認可された放射性物質を用いるかもしれない。)

・・・要するに放射線を出してるものなら何でもいいわけですな。「自然放射性物質」でちょっと調べると、モナザイト、バストネザイト、リン鉱石、チタン鉱石・・いろいろな放射線放出量の高い鉱石が出てくるのだが、それらなら何でもいい、ということだろうか。
さらに可能であれば、一部の放射性廃棄物でもいいのかもしれない。もちろんこの場合は法的にまずいので、日本国内では間違いなくアウトである。

もっと重要な一文がある。まずは読んでいただきたい。

'Radiation of an intensity on the order of 100 mSv emitted by 〜'
(〜によって増幅された100ミリシーベル単位の放射線)

100ミリシーベル?!
これが本当ならば、大問題である。想像を絶する放射線量なのだ。

日本において、日常生活において許容される被ばく放射線量は、年間1ミリシーベルである。また、特別な環境下にいない限り、一般の人ならば年間0.2〜0.3ミリシーベル(200〜300マイクロシーベル)を超えることはほとんどない。原子力施設などで勤務しない限り、1ミリシーベルなどという被ばく量は考えられないのだ。

なお、日常生活の中で場で測定できる放射線量は、大体毎時0.020〜0.050マイクロシーベルである。単位を毎年に換算しても、だいたい0.1〜0.2ミリシーベル程度である。ちなみにレントゲン撮影では4ミリシーベル程度の放射線が放出されるが、一瞬なので人体には問題ない量となっています。

この大前提を踏まえて、100ミリシーベルである。しかもこの表記では、時間を表す単位が含まれていないので、常時100ミリシーベルの放射線が放出されていることになってしまう。
この単位で比較すると、広島原爆の爆発直後で4000ミリシーベル、チェルノブイリの事故の時で3000〜4000ミリシーベル、東海村の臨界事故では11,000ミリシーベルだったそうです。

100ミリシーベルがどれだけ危険なことか、理解頂けたでしょうか?
こんな危険な物体を素手で扱うなど考えられない。異常すぎる。

参考:
■ 放射線審議会基本部会報告書「自然放射性物質の規制免除について」
■ 財団法人 放射線影響研究所

・・・常識ある方なら既にお分かりかと思われるが、実際にこんな大量の放射線は放出されていません。
さらに言えば、「100mSv」などという記述でも審査に通ってしまうぐらい、アメリカの特許庁はずさんなことも判りました。

以前紹介したこちらの検証ページのように、SEVの放出する放射線量は、日常の場で浴びているそれとほとんど変わりありません。

仮に1000分の1程度(=0.1mSv)が放出されていたとしても、年間通して浴びれば十分気をつけないといけない量になります。なので、こんな危険な商品売る方は毎日被ばくしてるのと一緒ですね。
特許の内容通りに、ある程度の放射線が出ているのなら、放射性廃棄物の処理作業と同様に防護対策をして、着用したものは廃棄物として処理しないとまずい。倉庫なんぞもう、放射能防護スーツ着ないと入れないはずです。

しかし、売る方は何も気にせず適当に素手で扱ってます。
そんなもんなんです、これ。

■ 結論
・別ページで記載の通り、この商品の効果は説明されていない。
・科学的に見て、効果があると考えられない。
・特許記載通りの原理であれば、放射能によって人が死にます。

上記のように信憑性が無いことをえんえん記載しましたが、それでも効果があるとすれば、金属の構造体による制振効果が考えられます。複数の異なる金属を重ね合わせれば、制振される周波数が広まり、効果が期待できます。
このような物質を複数貼れば、効果の度合いは定かではありませんが、何かしらの効果は得られるはずです。

今度、何か作って巻いてみましょうかね??

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